XI-9. 仏教の新展開

紀元前後に仏教に新たな動きが見られた。それまでの仏教は,出家者が厳しい修行を行って自らの救済を求めるものであった。これに対して,あらゆる人々の救済を求めて修行する [ 1.菩薩 ] を信仰する [ 2.大乗仏教 ] がおこった。[ 2 ]は,それまでの仏教は自身の救済のみを求める利己的なものであると批判し, [ 3.小乗 ] と呼んだ。2世紀頃, [ 4.ナーガールジュナ(竜樹) ] が[ 2 ]の教理を体系化した。[ 2 ]はクシャーナ朝の保護を受けたが,中央アジアを経て,中国・朝鮮・日本に伝来し,北伝仏教と呼ばれる。このころ, [ 5.ヘレニズム ] 文化の影響を受けて仏像がつくられるようになった。 [ 6.ガンダーラ ] 美術と呼ばれる仏教美術は,[ 2 ]とともに中国・日本にも影響を与えた。一方,それまでの仏教は,教団が多数に分裂し [ 7.部派仏教 ] と呼ばれるが,そのうちの一派である [ 8.上座部仏教 ] がスリランカに伝わって東南アジアの仏教のもととなったため,南伝仏教といわれる。
check_icon6以前は[ 6 ]でギリシア人が「初めて」仏像を造ったといわれていた。だが現在では,インド北部の都市マトゥラーで造られた純インド風の仏像の方が[ 6 ]より古いとみなされるようになった。マトゥラーの仏像はグプタ様式へつながる。