中世の西ヨーロッパはキリスト教の時代で,教会が社会全般を律していた。学問もキリスト教の支配下にあり,が最高の学問とされ,哲学や自然科学はその下に置かれた。学問の担い手は聖職者・修道士で,彼らは当時の共通の学術語として語を用いていた。大学は教会・修道院の付属学校を母体に,教授と学生の自治団体として12世紀に成立した。イタリアの大学は法学で,大学は医学で有名であった。神学で有名だったのは,フランスの大学,イギリスの大学である。
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III-66. 中世ヨーロッパ文化:スコラ学
中世の神学・哲学は,信仰を論理的に体系化しようとした学で,普遍論争が中心的な議論であった。普遍が実体として存在するとする立場がで,に代表される。これに対して,実在するものは個々の事物のみで普遍は名にすぎないとするのがでフランスのやイギリスのに代表される。13世紀の神学者は『』を著し,イスラーム経由でもたらされた哲学とキリスト教神学との調和を図って[ 1 ]学を大成した。
III-67. 中世ヨーロッパ文化:中世のルネサンス
フランク王国のカール大帝は,アーヘンの宮廷にイギリスからを招き,語による文芸の復興運動を保護・奨励した。これをという。さらに,十字軍をきっかけに東方との交流が盛んになると,ビザンツやイスラーム圏からギリシアの古典がもたらされ,学問や文芸が発達した。これをという。この時期にスペインのトレドでアラビア語の学術書やギリシアの古典が語に翻訳された。(ラテン名アヴェロエス)の注釈も翻訳されて,学の完成に大きな影響を与えた。なお,大学が成立するのも12世紀頃のことである。
III-68. 中世ヨーロッパ文化:文学
中世の文学の多くは学術語でもあった語で書かれたが,11世紀頃から口語(俗語)で書かれたが登場した。カール大帝の対イスラーム戦を舞台にした『』や,ケルト人の英雄をうたった『』などがその代表である。また,ゲルマンの民族的英雄叙事詩である『』が残されている。叙情詩では,(トゥルバドゥール)が宮廷をめぐって,騎士道的恋愛を主題とする叙情詩をうたった。
III-69. 中世ヨーロッパ文化:教会建築
ビザンツ帝国では,円蓋(ドーム)と,石や貝殻などで描く壁画が特徴のビザンツ様式がおこった。この様式は,コンスタンティノープルの聖堂やラヴェンナの聖堂などにみられる。11世紀には半円状アーチと厚い石壁に特徴を持つ様式が生み出された。この様式では,イタリアの大聖堂やドイツのヴォルムス大聖堂などが有名である。12世紀には,尖頭アーチを用いて高さを強調し,窓をで飾る様式が出現し,パリの大聖堂やドイツの大聖堂などがその典型である。