デカルト以来の近代ヨーロッパの思想は,合理的精神を備えた個人の自律を前提としていた。それに対し,オーストリアの精神病理学者は,を確立し,人間の自我が無意識に支配されていることを明らかにして,デカルト以来の人間観に打撃を与えた。哲学では,合理主義や実証主義のような客観的な抽象的思考では把握できない個としての人間の立場を強調するがさかんとなった。[ 3 ]の特徴は,19世紀のデンマークのキェルケゴールや「神は死んだ」と唱えたに見られるが,ドイツのハイデッガーやフランスのがその代表である。ドイツの思想家が著した『西洋の没落』は,第一次世界大戦後のヨーロッパ社会に大きな衝撃を与えた。
[ 1 ]は,古代ギリシアの悲劇詩人が書いた『オイディプス』をもとに,エディプス=コンプレックスという概念を提唱した。